【猫がらみの話】私が大好きな爺ちゃんは、トラという猫を飼っていた。爺ちゃんが亡くなり、7歳のトラを引き取った。そしてトラが8歳になったとき

猫がらみの話

婆ちゃんは私が生まれる前には

もうすでに居なかった。

 

そして私が10歳のとき

亡くなった爺ちゃんは

茶トラのトラという猫を飼っていた。

 

爺ちゃんは冗談が好きというか、

結構いい加減なことを言う人だった。

 

まあ、高田純次さんのような人だと

言えばわかりやすいかもしれない。

 

本人は冗談のつもりだったかも

知れないが、

幼い私にとってはトラウマに

なるほどのことを平気で言った。

 

でも私はそんな爺ちゃんが好きで

近所だったこともあり

よく遊びに行っていた。

 

忘れられないのは私が4歳のとき

「スイカの種を飲み込むと

ヘソから芽が出る」という言葉。

 

私はスイカの種を出すのが苦手で

それを聞いてから

スイカが食べられなくなった。

 

5歳の夏、爺ちゃんのところで

スイカが出たとき、

私は手を付けなかった。

 

すると爺ちゃん

「ナオ(私の名前)はスイカ嫌いか?」

「だって、種飲むとヘソから

芽が出るから」

というと、爺ちゃんは言った。

 

「そうだなあ、スイカ人間になった

ら困るもんなあ。でも、30粒までは

大丈夫らしいから、これを食え」

と言って、爺ちゃんは新たな情報を

私に与え、スイカを差し出した。

 

それでも緊張して食べた憶えがある。

 

もう一つ極めつけの話がある。

 

5歳の秋、縁側で爺ちゃんの飼い猫

のトラが寝てるのを私が構っている

とき爺ちゃんが言った言葉。

 

「猫は8歳になると本物の虎に

なるんだ。

 

トラは今2歳だから、

6年したら本物の虎になるんだよ。

 

だから、そんな構い方してると

ナオは食べられちゃうよ」

その言葉にビビった私は

トラに優しく接するようになった。

 

爺ちゃんはよく私に、

「ナオが大人になるまで爺ちゃんも

生きてなきゃな」と言っていた。

 

そんな爺ちゃんは

私が10歳のとき亡くなった。

 

7歳のトラは

うちで引き取ることになった。

 

かわいがっていたこともあり、

トラは私に一番懐いてくれた。

 

1年後、トラは8歳になったが

本物の虎にはならなかったw。

 

トラはいつも私のそばに居て、

私から離れることはなかった。

 

高校を卒業して就職が決まったころ、

トラは静かに息を引き取った。

 

『爺ちゃん、貴方がかわいがって

いたトラは貴方の代わりに私の成長

をいつもそばで見守ってくれたよ』

 

爺ちゃん、トラ、本当にありがとう。

 

『アイキャッチ画像は、遊歩道でくつろぐ、地域猫の茶トラのやっくん♂』

今日の話は、猫の話というより嘘つき爺ちゃんと孫の話になってしまいました。 幼い子どもに嘘を教えてはいけませんよね。 でもこのお孫さん、素直で感謝できる人に育ったようです。

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