私は実家暮らしの専門学校生。
去年の秋から、里親募集されていた
子猫を私が引き取って飼っている。
人見知りをしない
人間大好きな黒猫ちゃんだ。
あまり鳴かない子で、時々
ハスキーな声で「ヴニャ…」という。
子猫はうちに来て、
早々に子猫マジックを炸裂!
ひと月も経たぬ間に子猫は、私と
両親を簡単に下僕にしてしまった。
ところで私には年の離れた兄がいる。
兄は私をかわいがってくれたし、
私にとっても自慢の兄だった。
そんな兄が正月には帰省して来る。
私は楽しみにしていた。
そして大晦日に兄が帰ってきた。
玄関まで兄を迎えに行く私に
猫もいっしょについてきた。
「疲れた~」と言いつつ
帰ってきた兄は
猫を見てちょっと微妙な顔をした。
「お兄ちゃん猫苦手だったっけ?」と私が聞くと、
「猫か~、嫌いじゃないけどあんまりオレに
近寄らせないようにしてね」と言った。
兄にそう言われた私は
ちょっと寂しい気持ちになった。
私といっしょに兄を迎えに来た猫は
微妙な空気を察したのか
私から離れなかった。
大晦日の夜、こたつにみかんで
久々に一家団らんの時を過ごした。
その日、猫は兄には近づかず、
ずっと私の隣で丸くなっていた。
元日の朝、私が顔を洗って
リビングを覗くとコタツで
そのまま寝てしまった兄と猫がいた。
兄はコタツで横になったまま
近づいてきた猫と喋っていた。
顔の近くに来た猫に
「何の用ですか~?」
おもむろに兄の上に乗ろうとする猫。
「ちょっ、ちょっと~、ボクの上に
乗ろうとしないでください」
そして私に気づいた兄。
「ほら、あっちであなたの
飼い主さんが呼んでますよ」
(いや、私はまったく呼んでいないがw)
なにげに猫と敬語で会話する兄に
和んだと同時に笑えた。
次の日、私は友達と予約していた
ブランドの福袋を買って帰って来た。
ふとリビングを覗くと
兄と猫がコタツで添い寝をしていた。
母が言うには、近づいてきた猫に
兄は「いっしょにお昼寝しますか?」
と聞いていたらしい。
その日の夕方、兄は
「ちょっと散歩行ってくる」
と言って出て行った。
次の日の朝、私はリビングから聞こえる
兄の大きな笑い声で目が覚めた。
リビングに行くと、
猫じゃらしで猫と遊ぶ兄。
どうやら昨日の夕方、
猫じゃらしを買ってきたらしい。
いっしょに加わって遊ぶ私。
「あんなこと言ってごめんな、
猫ってかわいいなあ」と兄は言った。
「でしょ~!」と私。
次の日「ゴールデンウイークには
猫のお土産も買って来なくちゃね」
と言って、兄は帰っていった。
それにしても、
こんな短期間に人の心を虜にする
猫ってつくづくすごいなと思った。
私も今年はサークルのあの人を
虜にしなければ…、
猫を見習わねばならぬなw。
『地域猫ボラさんからごはんを貰って寛ぐ、地域猫の黒猫のちょんちょん♂』
ちょんちょんは、毛づやも美しく本当にきれいな黒猫ちゃんです。 縄張りは広く、あのやっくんでさえ一目置く存在。 ちょんちょんの名前の由来は、ちょんちょん(タマタマ)がすごく立派だったところから名づけられました。 タマタマのことをなぜちょんちょんって言うのかは不明。 知ってる人がいたら教えてください。
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