【猫のほのぼの話】 猫が大嫌いな父親。 ある日、 最愛のひとり娘が 子猫を拾ってきた・・・

猫のほのぼの話

私は猫が嫌いだ。

 

子どもの頃に野良猫に

バリ掻かれた経験があるのだ。

 

だいたい、あの目の怖さは何なのだ。

 

夜ギラギラ光って

不気味で仕方がない。

 

それとあいつらの

偉そうな態度は何なのだ。

 

まるで見透かしたような

目をして、更に

見下したような顔で見て来やがる。

 

まだ言いたいことはあるが、

今日のところは

これくらいで勘弁してやろうと思う。

 

ところで、最近うちのひとり娘が

私のことを邪険にする。

 

思春期だからなのだろうか、

父としては非常に寂しい。

 

例えば、風呂上がりにパンツ一丁で

いると「なんか汚い」と娘。

 

(風呂に入ってきたばかりなのに

汚いと言われる…)

 

うかつに放屁しようものなら

「デリカシーがない!」と切れられる。

(ついでに妻からも怒られる…)

 

妻はともかく、最愛の娘から

そのような扱いを受けるのは

非常に悲しいものである。

 

ある休日の夕方のこと。

 

部活から帰ってきた娘が玄関先で

「お父さん、お母さん、来て~!」

 

見に行ってみると、子猫を抱えた娘。

 

「この子ケガしてるみたい、

どうしよう?」と娘。

 

見ると、子猫の後ろ脚辺りから

血が出ていた。

 

この状況で「猫が嫌い」などとは

言ってられないので、

 

とりあえず子猫を病院に

連れて行くことに。

 

幸い子猫のケガは大したことはなく、

薬を貰って帰ってきた。

 

さすがにケガをした子猫を

ほっぽり出すわけにはいかず、

 

『なるべく早く里親を探す』

という事になった。

 

そして、その日から娘が

私に対して急に優しくなった。

 

ソファーに座ってお茶をしていると

娘が後ろから何気に

私の肩をモミモミしながら

 

「お父さん、いつもお疲れさま」

などと、言ってくるようになった。

 

妻はその様子を見ながら

ニヤニヤしている。

 

私はそんな娘と妻の策略など

お見通しなのである。

 

そんな見え透いた作戦に

引っかかって

 

「猫を飼ってもよい」などと

私が言うわけがなかろう。

(私は猫が嫌いなのだ!)

 

で、子猫はと言えば、私が近づくと

クリクリの目で見上げて来て

足元にコロリンと転がったりする。

 

思わず手を伸ばすと、私の手を

両手で抱えてペロペロしたりする。

 

「かわいい・・・」この子猫と

子どもの頃にバリ掻いて来た生物が

同じ生物だとは思えない。

 

いやいや、ごまかされてはいけない。

きっと猫という生物は

生まれながらにして狡猾なのだ。

 

・・・5日後。

 

夕飯を済ませ、

ソファーに座っていたら

 

子猫がフニフニと寄って来て

私の膝に乗ってきた。

 

「こ、これは・・・」

思わず撫でてしまう私。

 

間髪入れずに、

後ろから抱きついてくる娘。

 

「お父さん、この子かわいいでしょ、

飼ってもいいでしょ?」と娘。

 

「あ…、いや…まあ、

お父さんの寝室に入れなければ・・・」

と言いかけたら、

 

「やったー!」と妻と娘がハイタッチ。

 

「いや、私の話を最後まで・・・」

という私の声は全くかき消され、

勝手に盛り上がる二人。

 

子猫は驚いたように起きて

キョロキョロした後、

また私の膝の上で寝た。

 

「ま…、まあいいか…」

私は幸せそうに眠る子猫を撫でた。

『地域猫ボラさんにごはんを貰う、地域猫のグレーちゃん♀』

こんばんは、豆父です。 調子が少し戻って来まして、ようやく動画を作る余裕が出来ました。 ありがとうございます。m(__)m

※動画の猫はうちの近所の地域猫たちです。 私たちの動画で地域猫への理解が広がってくれると嬉しいです。

 

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461【猫のほのぼの話】猫が大嫌いな父親。ある日、最愛のひとり娘が子猫を拾ってきた・・・

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