夫と出会ったのは大学のサークル。
人が良くて優しくて気遣いが
できる人で、女子には人気があった。
20年間生きてきてこんな出来た人(男)
を見たのは初めてであった。
激しい争奪戦を経て、彼をゲットした
のは私であった。( ゚Д゚) ゲッツ!
彼は結婚してからも
変わらず優しかった。
ある日、そんな夫が小さな段ボール箱を
抱えて仕事から帰ってきた。
その「ニャーニャー」と音のする
パンドラの箱には希望ではなく、
予想通り子猫が入っていた。
「夫くん、私が猫アレルギーなのは
知ってますよね」と私。
「妻さん、これにはやむにやまれぬ
事情があったのですよ」と夫。
その事情とやらはこうである。
会社の敷地で野良猫が
子猫を産んだらしく、
その母猫は捕獲され避妊手術を経て
猫好きの社長宅に引き取られることに。
そして会社の事務所の出入り口には
子猫たちを入れた
段ボール箱が置かれた。
『小さな命、救うはあなた。
(ワクチン等済) =^_^= 』
というキャッチコピーが
箱には添えられていたという。
そして帰るときには、子猫を抱えて
ニコニコしている社長の姿が・・・
といった事情らしい。
とにかく私たちは片っ端から
里親になってくれそうな
知り合いや友人に電話。
4日後の日曜日に迎えに来てくれる
里親を探し出した。
その里親になってくれる友人に
とりあえず子猫に必要なものを聞いて、
夫はホームセンターに走った。
その間に私はアレルギー防止のため
マスクと水泳用のゴーグルを装着して
夕食の準備。
そうこうしていたら、子猫がやって来て
私の足から背中に、そして肩に。
私は猫アレルギーではあるが猫は嫌い
ではない、というか好きな方である。
だからそのまま肩に乗せていた。
帰ってきてその様子を見た夫は
「うわ~、ナウシカだ!」と言って
「ラン、ランララランランラン♪」と
歌いながら猫グッズの準備をしだした。
ただただ、ノンキな夫である。
猫グッズの準備も終わったようなので
夫に子猫を預けることにした。
子猫を渡そうとすると
「ちょ、ちょっと怖い怖い
そんな小さいの」と夫。
「大丈夫、大丈夫」
と私は夫の手に子猫を乗せた。
「なにこれ?ふわふわでかわいい…」
と夫の顔はほころびっぱなし。
4日後の日曜日、里親になってくれた
大学の頃の友人がやって来た。
子猫を渡す私に
「あれ、夫くんは?」と友人。
そんな友人に私は小声で
「子猫と別れるのが悲しくて
奥の部屋で泣いてる」と言った。
夫の性格を知ってる友人は
「なるほど、夫くんによろしく」
と言って帰っていった。
それからというもの、夫は週に一度は
猫カフェに通うようになった。
最近本気で猫アレルギーを
克服せねばと考えている・・・。
『里親さんに抱っこされて甘える、まめくん』
まめくんの里親になってくださったAさん、ありがとうございました。 |
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