うちの家族は
両親と私と猫の4人家族。
猫は私が小学生の時にやって来た
元野良で気の強いオスの猫、
名前はバズ。
ケンカは強いが、
私たち家族にはスリスリのデレデレ。
そして理由は分からないが、バズは
『制服を着てる人=偉い人』という
認識を持っているようだった。
バズは毎朝スーツを着て出勤する
父親を玄関で送り迎えをしていた。
しかし、いつも普段着で
ちびまる子ちゃんくらいグータラな
小学生の私などは、
使えない子分くらいの扱いだった。
でも母の場合は、制服こそ
着てはいないが、バズにとって
いつもごはんをくれる優しい
お姉さんみたいな認識だった。
だが、グータラで使えない子分な
私でも、時が経てば中学生になる。
中学生になった私は、制服を着て
父親よりも早く家を出るようになった。
するとバズは「なんかこいつ、
ちょっと偉くなったんじゃね」
みたいな感じで父親同様、私の
送り迎えしてもくれるようになった。
そして、中学2年生になるころ、
ちょびっと色気づいた私に、彼氏?
というかボーイフレンドが出来た。
もちろん清らかな関係。
ある日、そのボーイフレンドが
家に訪ねてきた。
20分ほど玄関先で話をして
「んじゃあ、また」みたいな感じで
彼氏は帰っていった。
私は顔を赤らめつつ
ニヤニヤしながら玄関を開けると、
なぜかバズがすごい顔をして
猫とは思えぬくらい
ビシッと背筋を伸ばして座っていた。
「バズ、どうしたの?」
と言って、抱っこする私。
するといきなり、
私の右頬に猫パンチが炸裂!
当時メガネっ娘だった私の
フチなし眼鏡が吹っ飛んだ。
爪は出てなかったがスナップが
効いた強烈な猫パンチだった。
私は思わずビックリして手を放した。
しかしバズは私のフリースにしがみ
ついて「ウグニャー!」みたいな
今まで聞いたことのない鳴き方を
して何度も猫パンチを喰らわせてきた。
「どこの馬の骨を連れて来た!
俺は認めんぞ!」
まるで、昭和のテレビドラマの
父親みたいな感じだった。
でも、そんなことは後にも先にも
それ一度きりだった。
・・・あれから10年が経ち、
私と結婚を約束した人がうちに来た。
本当の父親には、あの時の
バズのようには怒られなかった。
それからしばらくして、
小春日和の穏やかな日のリビングにて。
もう年老いておとなしくなったバズは
猫ベッドで丸くなっていた。
私は、そんなバズの前で正座をした。
バズは薄っすらと目を開けた。
「長い間お世話になりました。
今まで本当にありがとうございました」
バズは少し伸びをするように
左手を伸ばしてきた。
私はその手をそっと握った。
・・・あかん、泣きそうだ。
こりゃ本番では号泣だなw。
照れくさいけど・・・
もうひとりのお父さんバズへ
『いつも寄り添ってくれて 本当にありがとう』
『地域猫ボラさんにごはんを貰った後、東屋のベンチで寛ぐ地域猫の茶トラのやっくん♂』
2日続けての茶トラのやっくんの登場です。 気の強いオス猫と言えば、やっくんという事で2連投となりました。 ご存じの方もおられると思いますが、やっくんの名前の由来は現れた当時の横暴ぶりから、や〇ざのやっくんと呼ばれるようになりました。 今は、当時の面影もなくみんなにフレンドリーに甘えてきます。 ボラさんたちの愛情のおかげですね。
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