うちの妹は見える人で猫使い。
幼い時からちょっと変わっていた。
誰もいない場所を指さし
「あそこにケガした人がいるよ」
と言ってみたり、
歩いていて、
誰もいないのに避けてみたり…。
外を歩けば、結構な確率で
知らない猫が寄って来た。
妹と近所の公園に遊びに行くと、
いつも数匹の猫に囲まれていた。
これだけ聞くと、妹のことを
『感受性が強くて物静かな人』
と思う人がいるかも知れない。
が、実際は全くの逆。
まあ、竹を割ったような性格と言えば
聞こえは良いが、
言い方を変えれば豪快でガサツ。
腰に手を当て『ガハハ!』笑う姿が
よく似合う肝の太い妹である。
そんな妹は今、
いわくつきの家に住んでいる。
いわゆる事故物件というやつだ。
古い平屋の家なのだが、前の住人が
首を吊って亡くなったらしい。
驚くほど安い家賃と、DIY自由、
そして、ペットいくらでも可、
という条件に妹は喜んで食いついた。
というのも、妹は既に4匹の猫飼いで
しかも実家の庭は近所の
地域猫の集会所と化していたからだ。
さすがにガサツな妹も
『この状況はまずいな』
と思っていたようだ。
ちなみに不思議なことに
妹が引っ越してしばらくしたら
猫の集会はなくなった。
ある休日、
そんな妹のそんな家に遊びに行った。
すると猫が7匹に増えていた(笑)。
飼い猫以外は耳カットされていたので
たぶん近所の地域猫だろう。
なんでも、多い時には飼い猫と合わせて
十数匹になるらしい。
で、昼食を食べた後トイレを借りて、
妹のいる部屋に帰る途中、
ふと見ると、猫たちが何もない部屋で
何かを囲むように集まっていた。
そして、猫じゃらしや紐で遊ぶように、
ピョンピョンと飛び跳ねていた。
妹に聞いたところ、前の住人が時々
その部屋でぶら下がっているらしく
猫たちはその人で遊んでいるそうだ。
その部屋は倉庫にしようと思っていた
のだが、猫たちが楽しそうなので、
そのままにしているらしい。
時間が合えば、十数匹の猫たちが
ぶら下がっている人に
ピョンピョンしているとのこと。
「ぶら下がってる人はあんなんで
大丈夫なのか?」と聞いたところ、
妹はビールを飲み、
アタリメをかじりつつ、
「いやならぶら下がらんでしょ、
知らんけど(笑)」とのこと。
我が妹ながら、すごい奴だなと思った。
もしかしたら猫たちは妹のことを
ボス猫と思っているのかも知れない。
妹は特に害を受けることもなく、
今でもぶら下がっている人は
猫たちに遊ばれているとのこと。
『地域猫ボラさんにごはんを貰う、地域猫の茶トラやっくん♂と黒猫のおともだちくん♀』
動画の猫はうちの近所の地域猫たちです。 私たちの動画で地域猫への理解が広がってくれると嬉しいです。 |
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