うちの妻は
私には勿体ないくらいの良妻。
安月給の私に文句ひとつ言わず
尽くしてくれている。
ある日、仕事から帰ったら
何やら妻の様子がおかしい。
落ち込んでいる感じと言うか、
どんよりと暗い。
夕食後、妻が「話があるの」と
真剣な顔で言ってきた。
『え、どんな話?』と、
小心者の私はビビリながら
テーブルを挟んで座った。
「実は今日ね…」と言ったまま、
下を向く妻。
テーブルにポタリと涙が落ちる。
その、只ならぬ妻の様子に焦る私。
「今日何かあったの?」と、私は
出来るだけ優しく妻に声を掛けた。
すると妻はバッと顔を上げて
「一生のお願いがあるの!」と言った。
話を聞くと、
買い物帰りに遊歩道を歩いていたら
子猫が鳴きながら
ついて来てしまったらしい。
どうしても見捨てられなくて
連れて来てしまったと。
『出来れば飼いたいが、ダメなら
里親が見つかるまで置いて欲しい』
とのことだった。
涙ながらにそう訴える妻に、
「ダメだ」と言えるはずもなく
「いいよ、猫を飼おう」と私は言った。
すると妻の顔はパァ~と明るくなり、
さっそく子猫のいる
別室に私を連れて行った。
小さめのダンボール箱に
お湯を入れたペットボトルと
妻のひざ掛け。
そして中に
三毛の子猫が丸くなって寝ていた。
「さっそく明日、病院に連れて行くね。
お金が掛かるから
やりくり頑張るね!」と笑顔の妻。
「お、おう」としか、
返事が出来なかった。
次の日から、若干おかずが
貧相になった気もするが、
妻はすごく機嫌が良い。
あれから4年、私もちょっと出世して
稼ぎもちょっと増えた。
その後、妻からの『一生のお願い』が
2回あり、今では3頭の猫飼い。
最初の猫はソファーの上、
次の来た猫は寝室のベッドの上、
去年来た猫はラグで
ヘソ天という格好で寝ている。
相変わらず、
おかずは豪華にならないが、
我が家はこの子たちのお陰で
平和で楽しい日々を過ごしている。
『地域猫ボラさんに遊んでもらう、地域猫のミケちゃん♀』
前脚を引きずっていたミケちゃんですが、もう痛そうな素振りを見せなくなりました。 猫ちゃんの自然治癒力は凄いですね。 ※動画の猫はうちの近所の地域猫たちです。 私たちの動画で地域猫への理解が広がってくれると嬉しいです。 |
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