うちはペット可の集合住宅の8階。
でも、ペットは飼っていない。
ある日のこと、
リビングでPC作業をしていたら、
後ろから猫の鳴き声がした。
振り向くと、子猫が歩き回っている。
『???・・・』私の頭の中には
?がたくさん並んだ。
換気のためチェーンロックを掛けて
玄関を少し開けていた。
たぶんそこから
入ってきたのだと思うが、
どうやって
うちの玄関まで来たのだろう。
そもそもうちは8階で子猫を見ると
自力で階段を登れそうもないサイズ。
『エレベーターで人に紛れて乗って
きた』というのもちょっと無理がある。
『たぶん同じ階の住民の飼い猫で
あろう』と思い、
同じ階と念のため上下階の住民にも
声を掛けたが、
みなさん「知らない」という。
エントランスの掲示板に
チラシを掲示してもらったが
結局飼い主は現れなかった。
そんなわけで、子猫は
なし崩し的にうちの飼い猫になった。
子猫が来て半年ほど経った頃、
出張で関西に一泊することになった。
宿泊先の部屋でちょっと怖いこと
(金縛りや変な音)があり、
それから酷い肩こりのような
症状が出た。
『ちょっとこれはまずいな』
と思いつつ「ただいま~」と帰宅。
すると、玄関まで迎え来たうちの猫、
私の顔を見た途端
「ニャニャニャ!」となぜか興奮。
私の肩に駆けのぼり、
のぼったと思ったらすぐ飛び降りて
リビングの方に走っていった。
まるで虫でも
追っかけているみたいな感じ。
リビングに行くと、
いつもは私に叱られるからのぼらないテーブルにのぼって
上から垂れ下がった紐に
じゃれるようなしぐさをした。
その後、見失ったのか
天井や壁をしばらくキョロキョロ。
そして、私と目が合うと猫は
『あれ?ここテーブルじゃん』
みたいな感じで、バツが悪そうに
降りてきて、私の足にスリスリ。
その後はいつもの猫に戻って
普通にごはんを食べて、
私の膝の上で丸くなった。
気がつくと、酷い肩こりみたいな症状が
すっかり治っていた。
ただの思い込みかもしれないけれど、
猫が変なものを追っ払ってくれたと
私は思っている。
出会いからして
普通じゃなかったうちの猫。
もしかしたらすごい力を
持っているのかも知れない。
『地域猫ボラさんからのごはんを待つ、地域猫のゴロちゃん♂』
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