もう亡くなった
猫好きなお婆ちゃんから聞いた話。
お婆ちゃんは多くの猫を飼っていた。
というか、多くの猫を世話していた
と言った方が正確かもしれません。
お婆ちゃんは田舎に住んでいて
家の前にある畑で農作業をする毎日。
田舎という事で家は基本的に
開けっ放しで猫も出入り自由でした。
いつも数匹の猫が
常駐していたそうです。
そんな猫好きのお婆ちゃんはよく
「猫はすごく律儀な動物だ」
と言っていました。
というのも、猫は姿を消すとき、必ず
「さようなら」を言いに来るらしい。
「今までありがとう。
明日からごはんはいりません」って。
例えば、ごはんをあげても
じっと座って食べなかったり、
食べた後立ち去らないので
声を掛けるといつもは甘えない猫が
スリスリと甘えてきたり、
また、ごはんのときに、逆に
ネズミを持ってくる子もいたそうだ。
猫によっていろんな表現をするので、そのときは気づかずに、
後から『ああ、あれが別れの挨拶
だったんだな』思う事もあったそうだ。
そんな中で、
特に印象に残っている子がいて、
お婆ちゃんは嬉しそうに、その子の
話をしてくれたことがあった。
その子はまだ若い子で
健康そうに見えた。
そんな子が自分の大好物の
煮干しを待ってきて
座っているお婆ちゃんの前に置き
「ニャー」と
ひと声鳴いて去っていった。
お婆ちゃんは『まだ若いのに…』
と涙したそうだ。
そして、次の日から
やはりその猫は姿を消した。
数日後、お婆ちゃんは買い物に行った。
すると、あの煮干しを置いて去って
いった猫が、魚屋の端の電柱の陰で
切り落としを貰って食べていた。
お婆ちゃんはその子を見て
「こういうさよならもあるんだ」
と嬉しくなったそうだ。
見つかってその猫に気まずい思いを
させないように
こっそりお婆ちゃんは買い物。
嬉しさのお裾分けに切り落としや
アラを家にいる猫たちに
買っていったそうだ。
今はご主人を早くに亡くした
叔母さんが、お婆ちゃんの家と
猫たちを守っている。
『地域猫ボラさんにごはんを貰って食べている地域猫のちょんちょん♂、グレーちゃん♀、ちこちゃん♀、食べた後くつろぐやっくん♂』
今こちらの地域猫、捕獲ラッシュです。 |
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