うちの母方のおばあちゃん家は
うちの近所。
年老いた猫とふたりで暮らしている。
猫の名は『苗子』私と同い年。
おばあちゃんは、
『なえこさん』と呼んでいる。
なんでもおじいちゃんが
付けたらしい。
おじいちゃんは私が物心つく頃には
亡くなっていた。
おばあちゃんは口数の多い人では
ないが、私が遊びに行くに度
かわいがってくれた。
かわいがってくれたと言っても、
私のことを過度に構うことはなかった。
「折り紙がしたい」というと
折り紙が与えられ、
「お絵かきがしたい」と言えば
紙とクレヨンを与えてくれた。
私がひとりで集中している時には
声を掛けて来ることはなく、
できたものを見て欲しい時には
いつの間にかそばに居て褒めてくれた。
いつも微笑んで見守ってくれていた。
猫のなえこさんも自分から私に
近づいてくることはなかったが、
逃げるわけでもなく
あごの下を撫でると目を細めて
気持ちよさそうにしてくれた。
私はこの絶妙な距離感で
接してくれる
おばあちゃんと猫が大好きで
しょっちゅう遊びに行っていた。
先日、就職して初めての給料が出たのでおばあちゃんの好きな『な〇やん』を
買って遊びに行った時のこと。
丸まって動いても鳴いてもいない
猫のなえこさんに向かって、
おばあちゃんが急にしゃべりだした。
「うん、なあに?え、ごはん?
まだちょっと早いですよ。
はいはい、わかりましたよ」
そう言っておばあちゃんが立つと、
猫のなえこさんも
当たり前のように立ち上がって
ついて行きごはんを食べる。
おばあちゃんに聞くと
「何となくわかるのよ」と笑っていた。
私から見ると不思議だけど、
長い間いっしょに暮らしていると
通じるものがあるのだろうか。
その日は穏やかな日で、しばらく縁側で
まったりしながらお茶をしていた。
おばあちゃんがトイレに立つと、
猫のなえこさんがすかさず
おばあちゃんの座布団を占領w。
帰ってきたおばあちゃん、
自分は床に座って
「♪なえこさんの耳はかわいいね~」
などと聞いたことのない歌を
歌いながら、愛おしそうに撫でていた。
やっぱりおばあちゃん家は心地いい。
おばあちゃんも猫のなえこさんも
長生きしてほしいと思った。
『地域猫ボラさんにごはんを貰う、地域猫のおともだちくん♀』
おばあちゃんと猫って、なんであんなに似合うのですかね。 |
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