【猫のほのぼの話】 過労で倒れた私を 救ってくれた猫。 「足を向けて寝られない」 と猫に言ったら それを聞いた猫が・・・

猫のほのぼの話

私の仕事場の近くには保護猫も扱う

個人のペットショップがあった。

 

ある日、たまたま昼休みに

そのペットショップを覗いた時だった。

 

小さなケージに猫が入れられ

『洋猫雑種ワクチン代込¥5,000』

と札に書かれていた。

 

ケージには子猫が2匹入れられていて、

1匹は少し長毛のふわふわの

ぬいぐるみのような子猫。

 

もう1匹は、洋猫というより

どこから見てもただの黒猫だった。

 

その2匹の子猫を見て私はこう思った。

 

『たぶん黒猫の子は

貰い手がないだろうな』

 

その日、何となくあの猫たちが気に

なって仕事帰りにもう一度見に行った。

 

見に行くと、ケージの中に

ふわふわのぬいぐるみのような子猫は

既にいなくなっていた。

 

「やっぱりな」と思い、

なんとなく1匹で眠っている黒子猫の

顔を見ようとしゃがみ込んだ。

 

気づいた子猫は目を覚まして

顔を上げて私を見た。

 

そのときの、ちょっと驚いたような

子猫の表情がたまらなく可愛かった。

 

そんな子猫と目が合った瞬間、私は

ふらふらと何かにとりつかれたように

レジでお金を払い、

 

子猫をそのペットショップで

一番安いキャリーバッグに入れ、

 

子猫の食べていた子猫用フードと

猫トイレを車に積んでいた。

 

何も言わず内緒で家に子猫を

持ち帰ったが、

猫好きの妻は大喜びしてくれた。

 

タローと名づけたその黒猫は

耳ダニ以外に異常もなく、

すくすく育っていった。

 

いつも寝るときは私たちの間に寝て、

どちらにも平等に

甘えてくる空気を読む賢い猫だった。

 

そんなタローがやって来て

1年半経ったこの冬、

私は過労で倒れて入院した。

 

繁忙期だったので、ちょっと頑張り

すぎて無理をしてしまったようだ。

 

廊下で倒れている私を見つけた

タローが、必死に鳴いて

妻を知らせて、そのまま救急搬送。

 

タローがいなかったら

今頃はどうなっていたことやら…。

 

退院してから私は

「もうタローに足向けて寝られないよ」

と言った。

 

すると、タローはいつも私たちの間で

寝るのに、その夜は私の足元で寝た。

 

きっと『足を向けても大丈夫だよ』

という、タローの気づかいだろう。

 

不思議なことに次の日からまた

普通に私たちの間で寝た。

 

ほんとに賢すぎるタロー、

あの時出会えたことにありがとう。

 

『遊歩道の植え込みの中で寛ぐ、地域猫の黒猫のおともだちくん♀』

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